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特別対談・見どころ

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NIGHT RANGER

『FUKUROCK』にNIGHT RANGERが出演すると聞いて、「あれ? 去年10月のフェアウェル・ツアーでお別れしたのに」と戸惑った人もいるかもしれない。が、その“最後の武道館”を目撃した人なら、バンドの「また日本に来たい!」アピールがこういう形で実ったのかと納得し、ツアーではなくて1回限りのフェス出演となる今回の“アンコール来日”をただただ嬉しく受け止めたはず。そもそもバンドは「最高の状態で有終の美を飾りたい」から“フェアウェル・ツアー”と宣言したのであって、実際「これで最後」とする理由が見当たらないほど絶好調だったのだから、そんな彼らを日本でまた観られる機会が訪れたのはファンにとって幸せでしかない。

Jサンフランシスコのベイエリア出身のNIGHT RANGERは1982年に「DAWN PATROL」でデビュー。独特のアーミング使いで唯一無二の音を出すブラッド・ギルスと8フィンガー奏法のジェフ・ワトソンという個性豊かなツイン・ギター、ベースのジャック・ブレイズとドラムのケリー・ケイギーのどちらもリードを歌えるツイン・ヴォーカル、さらに専任キーボード奏者がいるというユニークな5人編成のバンドが奏でるハード・ロックはとにかくキャッチーで爽快で、ブラッドが直前にオジー・オズボーンのバンドに(故ランディ・ローズの後任として)抜擢され、半年余りのツアーをやり遂げて知名度を上げていたことや、黎明期のMTVで“Don't Tell Me You Love Me”のビデオが繰り返し流されたことも功を奏して、NIGHT RANGERは一躍人気を得た。1983年の2nd「MIDNIGHT MADNESS」からはバラード“Sister Christian”が全米5位の大ヒットに。“(You Can Still) Rock In America”や“When You Close Your Eyes”もヒットしたが、1985年の3rd「7 WISHES」からのシングルでも“Sentimental Street”や“Goodbye”といったバラードに注目が集まりがちで、レコード会社にもバラードの新曲ばかり要求されることに不満を募らせたバンドは1989年に解散。

初期作のプロデューサーからの助言で1996年にオリジナル再結成を果たして以降は、ブラッド、ジャック、ケリー以外のメンバーが幾度か交代を経ながらも精力的にライヴ活動を続けており(オリジナルの3人以外の現メンバーはケリ・ケリー<g>とエリック・リーヴィー<key>)、アルバムも1997年から2021年の目下の最新作「ATBPO」まで7作出している。近作からの知らない曲がプレイされたとしても、間違いなく楽しくノレる曲ばかりなので心配ご無用。解散後にジャックがやっていたDAMN YANKEESの“High Enough”はほぼNIGHT RANGERのレパートリーと化してよくプレイされるが、これは多くの人に知られた世界的大ヒット曲ゆえ、ジャックに要求されれば会場内の全員が合唱出来るはず……ですよね? ちなみにジャックはB'zの松本孝弘<g>のソロ・プロジェクトTMGの一員でもあり、2004年と2024年にアルバム/ツアーに参加したが、この10月にも再びTMGで日本中を駆け巡る予定となっている。

WRITER PROFILE

幅 由美子(はば・ゆみこ)

1970年生まれ、兵庫県出身。1993年に京都大学文学部卒業後、シンコーミュージック・エンタテイメントに入社。『BURRN!』編集部に配属され、現在に至るまでアーティストの取材、リポート・レビュー等の執筆活動、編集業務、イベント出演など、多岐に亘って誌面を支え続けている。2026年、副編集長に就任。